運営記録
売上ゼロの私が「note収益100万」を検算した|手取り率は85.5%ではなく、68〜85.5%でした
2026-08-06
先に、自分の数字を出します。
この事業の、第三者からの売上は現時点でゼロ円です。
80日運用して、意思決定と学びのノートを138ファイル・14,618行書いて、サイトは複数動いていて、決済も通る状態になっていて、売上はゼロ。これまでの購入は自分のテストだけです。
なので私は「稼ぐ方法」を書けません。書けるのは検算だけです。
ただ、検算はできます。そして調べてみたら、検算されていない数字が、かなり流通していました。
まず、「収益」がどっちなのか分からない問題
「note収益 月100万」という書き方を見かけます。ここで最初につまずきます。
その100万は、売上ですか。手取りですか。
noteには手数料があるので、この2つは同じ数字になりません。そしてどちらなのかを書いていない主張が、かなりあります。
差がどれくらいかを出すために、まず手数料を開けます。
手数料を、公式ヘルプで開ける
noteヘルプセンター「コンテンツを販売する際に引かれる手数料」に、料率が全部書いてあります。2026年8月6日時点の記載を、そのまま引きます。
① 事務手数料(売上金額に対して。購入者の決済手段で決まります)
| 決済手段 | 料率 |
|---|---|
| クレジットカード | 5% |
| PayPal | 6.5% |
| PayPay | 7% |
| Amazon Pay | 7% |
| noteポイント | 10% |
| 携帯キャリア決済 | 15% |
② プラットフォーム利用料(売上金額から事務手数料を引いた額に対して)
| 商品 | 料率 |
|---|---|
| 有料記事・有料マガジン・メンバーシップ・チップ | 10% |
| 定期購読マガジン | 20% |
③ 振込手数料 270円(振込1回につき1回)
ここで、「手取り率は85.5%」という説明では足りないことが分かります。85.5%は「クレジットカード × 有料記事」だけの数字です。
手取り率は1つの数字ではありませんでした
料率を総当たりで計算しました。
| 決済手段 | 有料記事(10%) | 定期購読(20%) |
|---|---|---|
| クレジットカード | 85.5% | 76.0% |
| PayPal | 84.2% | 74.8% |
| PayPay / Amazon Pay | 83.7% | 74.4% |
| noteポイント | 81.0% | 72.0% |
| 携帯キャリア | 76.5% | 68.0% |
68.0% 〜 85.5%。幅は17.5ポイントあります。
同じ「月商100万」でも、こうなります。
| 手取り | |
|---|---|
| 最良(カード × 有料記事) | 855,000円 |
| 最悪(キャリア決済 × 定期購読マガジン) | 680,000円 |
差は月17.5万円です。
逆から見ると、手取りで100万円にするために必要な売上はこうです。
- 最良の条件で 約117万円
- 最悪の条件で 約147万円
つまり「収益100万」が売上なのか手取りなのかで、実態は最大47万円ぶれます。書いていなければ、読んだ側には判別できません。
これは誰かが嘘をついているという話ではありません。 ただ、確かめられる形になっていない、という話です。
その数字は、何人の読者を要求するか
次に、月商100万が要求する規模を出します。ここは単純な割り算です。
必要な販売本数 = 月商 ÷ 単価
| 単価 | 必要本数/月 |
|---|---|
| ¥500 | 2,000本 |
| ¥1,000 | 1,000本 |
| ¥3,000 | 333本 |
| ¥5,000 | 200本 |
| ¥10,000 | 100本 |
そして本数を読者数に変換します。
必要PV = 必要本数 ÷ 購入率
| 単価 | 購入率3% | 購入率1% | 購入率0.5% |
|---|---|---|---|
| ¥500 | 66,667 PV | 200,000 PV | 400,000 PV |
| ¥1,000 | 33,333 PV | 100,000 PV | 200,000 PV |
| ¥3,000 | 11,111 PV | 33,333 PV | 66,667 PV |
| ¥5,000 | 6,667 PV | 20,000 PV | 40,000 PV |
| ¥10,000 | 3,333 PV | 10,000 PV | 20,000 PV |
毎月です。 累計ではありません。
見えてくるのは、こういうことです。
- 単価1,000円で月100万は、月10万PV級の話になりうる(購入率1%の場合)
- 単価を上げるほど、必要な読者数は劇的に減る。¥10,000なら月100本、3,333PVで届く
- つまり「月100万」の難易度は、金額そのものより単価設計で決まる
「1,000円の記事を1,000本」と「10,000円の商品を100本」は、同じ月商でもまったく違う事業です。前者はメディア、後者は商品です。
この式を、自分に当ててみる
人の数字だけ検算して自分を検算しないのは不誠実なので、同じ式を自分のサイトに当てます。
このサイトの直近6週間の検索流入は、クリック9でした。月あたりにすると約6.5クリックです。
購入率3%を当てると——
月0.19本。単価1,000円なら、月商およそ195円。
購入率1%なら月65円です。
月100万どころか、月1,000円にも遠い。 これが、80日運用した実測値です。笑ってもらって構いません。
ただ、この式のおかげで次に何をすべきかが1行で出ます。私の場合、単価をいじっても意味がありません。分母(読者数)が3桁足りないからです。だから今やるべきは価格設計ではなく、流入をゼロから作ることです。
検算の効用はここにあります。 「稼げるかどうか」ではなく、**「いま自分に足りないのは何桁のどの変数か」**が分かる。
持ち帰ってほしいのは、この式です
必要な販売本数 = 目標月商 ÷ 単価
必要PV = 必要な販売本数 ÷ 購入率
手取り = 売上 ×(1 − 事務手数料率)×(1 − プラットフォーム料率)− 振込手数料
これだけです。中学の算数で、どんな主張にも当てられます。
目にした数字が本当かどうかは、私には分かりません。でも「その数字が何を要求するか」は、誰でも計算できます。 そして要求される読者数を見たとき、それが自分に現実的かどうかは、自分で判断できます。
- 「月100万」と聞いたら、単価と購入率を聞く。書いていなければ、自分で仮定して幅で出す
- 「収益」と書いてあったら、売上か手取りかを確かめる。書いていなければ、15〜32%ぶれると思っておく
- 誰かの数字を疑う前に、同じ式を自分の計画に当てる。だいたい、そっちのほうが痛い
最後に、もう一度
私の売上はゼロです。 だからこの記事は「こうすれば稼げる」ではありません。「その数字が何を要求するか」を出しただけです。
私はいま、月195円の側にいます。ここから何が起きるかは、まだ何も分かっていません。分かったら、良い結果でも悪い結果でも書きます。
電卓だけ、置いていきます。
ナオTRYZM管理人
AIに関わるPMで、夜はAIで作って試す人。囲碁では布石が好き(何もない盤面に構想を描く時間)。 嘘をつくと自分があとで気にして引きずるタチなので、報酬が入らないプランでも一番ならそのまま書きます。 守れるルールは3つ — 盛らない。順位を売らない。試せないことも、徹底的に調べて正確に。